④社会福祉

●社会福祉の概念・対象

1 社会福祉の概念と理念

社会福祉の概念は、「目的概念」と「実体概念」に整理されます。
目的概念は、社会福祉の理念、目的、目標、背景に位置する価値、思想を意味しています。
それに対して、実体概念は、社会福祉の政策、制度、活動などを意味し、狭義の社会福祉と広義の社会福祉に分類されます。
狭義の社会福祉は、社会福祉六法を代表とする各種の施策、制度、サービスのことです。

社会福祉の理念ではソーシャルワークを行う上での人間観、社会観、援助観を培うものです。
その重要なものとして「人権尊重」「社会正義」「利用者本位」「尊厳の保持」「自立支援」「ノーマライゼーション」「社会的包摂」「エンパワメント」「インフォームド・コンセント」「アカウンタビリティ」などがあげられています。

〇ナショナルミニマム

国家が国民に補償する最低限の生活水準のことです。
 日本のナショナルミニマムは憲法第25条で「健康で文化的な最低限度の生活」と規定されている。保障の仕組みは、社会保険と生活保護を主な2本柱とする社会保障制度を中心に構築されてきました。

〇ノーマライゼーション

ノーマライゼーションの理念が発祥したのはデンマークです。

時は第二次世界大戦終了後の1950年代。当時、知的障害者の施設の中で、彼らが非人間的な扱いを受けていることを知ったその親たちによる、この状況を改善しようという運動からはじまりました。「どのような障害があろうと一般の市民と同等の生活と権利が保障されなければならない」という考え方がN・E・バンク-ミケルセンという一人の行政官によって提唱され、1959年にデンマークの法律として成立します。

厚生労働省が提唱しているノーマライゼーションとは、「障害のある人が障害のない人と同等に生活し、ともにいきいきと活動できる社会を目指す」という理念です。

英語で「normalization」とは「標準化・正常化」、または「常態化」という意味があり、「以前は特異と思われていたことがあたりまえの状態になっていること」、という意味を含んでいます。これを理念としてのノーマライゼーションに当てはめる場合、「障害がある人を変える」という意味合いではなく、彼らがありのままで健常者とともに生活ができるように「周りが変わる」という視点も持ち合わせています。

〇ソーシャルインクルージョン

ソーシャル・インクルージョンとは、「社会的包摂」とも訳され、その意味は「全ての人々を孤独や孤立、排除や摩擦から援護し、健康で文化的な生活の実現につなげるよう、社会の構成員として包み支え合う」という理念をいいます

〇ユニバーサルデザイン

ユニバーサルデザインとは、「はじめから、誰にでもやさしい商品や環境であるためのデザイン」のことで、障壁をなくすという発想ではなく、あらかじめ障壁のない設計をあたりまえにしようとする考え方です。双方とも、ノーマライゼーションの一部となる概念です。

〇自立支援

自立支援は、社会福祉においては、どの分野にも共通の理念となっています。

例えば障害者福祉分野では、障害者基本法や障害者総合支援法、高齢者福祉分野では介護保険制度、児童家庭福祉分野では児童福祉法などにおいて施設入所児童の自立や家庭の自立支援を援助しています。

2 現代の社会福祉対策の援助観

現代の社会福祉政策の援助観の基本は、日本国憲法11条の基本的人権の尊重、13条の生命、自由及び幸福追求権の尊重、25条の生存権の保障などに見ることができます。

基本的人権の尊重は日本国憲法の柱の一つで、侵すことのできないものであると保障されています。
いいかえると、わが国憲法はわが国の人権宣言であるといえます。また、人権を守るために、参政権や裁判を受ける権利も保障されています。

3 社会福祉の対象

社会福祉とは、児童、母子、心身障害者、高齢者など、社会生活を送る上でハンディキャップを負った人々を対象に、公的な支援を行う制度のことです。支援を必要とする社会的弱者が心身ともに健やかに育成され、能力に応じて自立した日常生活を営むことができるように支援するとともに、社会福祉は救貧・防貧の機能も果たしています。

〇直接の対人サービスは次の4つの対象・分野に分かれます。

・高齢者

・障害児・者(身体障害児・者、知的障害児・者、精神障害者)、児童

・その他生活困窮者等(低所得者、母子家庭、婦人保護その他)

4 社会福祉の機能

社会福祉では、行政の相談所や社会福祉協議会は、地域のサービス提供機関や団体との調整、これら機関・団体間の調整、新しい資源の開拓など、いずれも広い意味での地域社会を対象とした援助をします。「社会福祉の機能」ということばは、その名称で行われる活動が、それを含むより大きな系に対してもつ「よい」働きをいうのが一般的な用法です。

援助の内容は個人への相談援助活動から各種事業等の企画・実施まで幅広く、また社会福祉協議会のように対象・職種・事業ともに多様な職場もあります。

・行政の相談所(福祉事務所、児童相談所等)…福祉サービスを必要とする人の相談にのり、サービスが受けられるよう関係機関と調整したり、継続的な相談・援助を行う

・社会福祉協議会…地域福祉を推進したり、さまざまな民間の福祉活動を支援したりする

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今の時代、多くの人がストレスを抱えて生きていると思います。 私も成長期の家族からの暴力や虐待に30年以上たった今でもトラウマを残し、生きづらさを抱えて生きてきました。 でも、人はみんな幸せに生きる権利があります。今の人生がつらい過去の上にあるとしても、そして、自分を取り巻く状況が厳しいものであっても、人の心や幸せの意味を考えてみんなに幸せになってもらいたいと思います。 最近、保育の勉強に興味をもちました。学んでいると、まるで自分を育てなおしているような気持になります。学んだことをブログにもまとめていますので興味のある方は是非ごらんください。育児中の方などにもお勧めです。