③子ども家庭福祉

●障害児への対応

1 障害者施策の基本理念

日本では、少子・高齢化の進行に合わせて社会福祉を取り巻く環境も大きく変化しており、障害のある人の高齢化、障害の重度化、重複化、そして、障害のある人を支える家族の高齢化などを背景に障害福祉施策へのニーズも増大、多様化、複雑化をしております。

障害者基本法1条には、日本の障害者施策における基本的理念と、日本が実現すべき社会について記されています。

障害者の能力を最大限に発揮させ自立を促すための「リハビリテーション」、障害者が健常者と同様に生活し活動する社会を目指す「ノーマライゼーション」、この2つを基本理念として、障害者が自立し積極的に社会参加し、障害の有無にかかわらず、市民誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合う地域社会の形成を目標とするものです。

2 国際生活機能分類(ICF)

国際生活機能分類(ICF)は、人間の生活機能と障害の分類法として、2001年に、世界保健機関(WHO)総会において採択されました。この特徴は、これまでのWHO国際障害分類がマイナス面を分類するという考え方が中心であったのに対し、ICFは、生活機能というプラス面からみるように視点を転換し、さらに環境因子等の観点を加えたことです。

〇国際生活機能分類(ICF)の活用により、下のようなことが期待されています

・障害や疾病を持った人やその家族、保健・医療・福祉等の幅広い分野の従事者が、ICFを用いることにより、障害や疾病の状態についての共通理解を持つことができる。

・様々な障害者に向けたサービスを提供する施設や機関などで行われるサービスの計画や評価、記録などのために実際的な手段を提供することができる。

・障害者に関する様々な調査や統計について比較検討する標準的な枠組みを提供することができる。

3 障害者と障害児の定義

障害者とは、障害者基本法2条で、身体障害、知的障害又は精神障害(以下「障害」と総称する。)があるため、継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者をいいます。

障害者は、心身に障害を抱えており、他者からの支援を受けなければ日常生活に支障をきたすおそれのある18歳以上の人のことです。障害者という呼び方は、他人の障害になるという誤解を招くとして、「障がい者」や「障碍者」という言い方も普及しつつあります。心身の障害とは、身体障害のほか、精神障害と知的障害を指します。精神障害は心の制御がうまくできず事理弁識能力を欠くケースを指し、知的障害とは知的能力の発達に問題があって判断能力が劣る場合を意味すると言われています。

また、障害児とは、児童福祉法4条2項で、身体に障害のある児童又は知的障害のある児童をいいます。

障害児は、精神遅滞、難聴、聾、口語または言語の障害、視覚障害、重度の情緒障害、整形外科学上の障害その他の健康上の障害のある児童または特異な学習能力の障害をもった児童で、そのために特別な教育および関連サービスを必要とする者をいいます。

4 障害の分類

〇身体障害

身体障害とは、先天的あるいは後天的な理由で身体機能の一部に障害を生じている状態、あるいはそのような障害自体のことをいいます。身体障害者福祉法では、「視覚障害」、「聴覚・平衡機能障害」、「音声・言語・そしゃく機能障害」、「肢体不自由」、「内臓機能などの疾患による内部障害」の5種類に分類されます。それぞれの障害種類ごとに身体障害の程度を7等級に区分しており、最重度の1級から軽度の6級までが身体障害者手帳の交付対象となります。

〇精神障害

精神疾患の総称をいい、様々な原因により意識、知能、記憶、感情、思考、行動などの精神機能に障害を生じ、精神が正常に働かず、行動の異常が出現します。原因は主に、内因性(遺伝的性質や体質)、外因性(脳の損傷やホルモンバランスの崩れ)、心因性(精神的ストレスや環境要因)に分けられます。

〇発達障害

先天性の脳の機能障害が原因で乳幼児期に生じる発達の遅れをいい、知的障害を伴う場合もあります。
発達障害者支援法においては、主に自閉症・アスペルガー症候群、学習障害(LD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)に分類しています。なお、自閉症やアスペルガー症候群は広汎性発達障害に含まれます。
複数の発達障害を伴う場合も多いなど個人差がとても大きく、また、周囲の対応や環境によって生じる後天的な二次障害(引きこもりやうつ状態等)を発症しやすいのも特徴です。

〇知的障害

記憶、知覚、推理、判断などの知的機能の発達に遅れがみられ、社会生活などへの適応が難しい状態をいい、18歳までに生じるものを指します。医学上用いられる「精神遅滞」とほぼ同義で、法令上の用語として「知的障害」を用いる形で使い分けられます。 行政施策上では知能指数(IQ)75(もしくは70)以下を指します。知的障害に認定されると療育手帳が交付され、最重度・重度の場合はA、中度・軽度の場合はBと記載されます。

5 母子保健

新生児の障害を予防するために、母子保健事業・行政は、母子保健法に基づき、国、都道府県、市町村の各レベルにおいて、研究教育機関、民間専門団体、地域のボランティアグループなどが密接な連携をもって、下のような事業やサービスを展開しています。

・保健対策として、妊娠届、母子健康手帳の交付、保健指導、健康診査(妊産婦・乳幼児)、先天性代謝異常の検査(マススクリーニング)、B型肝炎母子感染防止事業など

・医療対策として、妊娠中毒症などの医療援護、未熟児養育医療、障害児に対する育成医療、小児慢性特定疾患治療研究事業、周産期母子医療センター、小児救急医療体制の整備など

・母子保健の基盤整備として、市町村活動の支援、健康教育・指導相談活動の支援、国レベルでの研究事業など

6 障害児施策

障害のある児童は,日常生活や社会生活において,何らかの制約を受けていることが多く,また障害が重度化・重複化し,社会生活への適応が困難となるケースが増える傾向にあるあります。
これらの制約をできる限り軽減し,障害のない児童と同様の生活が営めるよう福祉施策を推進することが必要となっています。
政府においては,ライフステージの全ての段階において全人間的復権を目指すリハビリテーションの理念と,障害者が障害のない者と同等に生活し,活動する社会を目指すノーマライゼーションの理念の下,平成5年に障害者対策推進本部において,「障害者対策に関する新長期計画全員参加の社会づくりを目指して」を策定し,また,この計画を具体的に推進していくための重点実施計画として「障害者プラン」の策定を行い,障害児(者)の福祉の向上を図っているところです。

7 障害児への手当

障害児とその家族への経済的保障として、下のような各種手当が支給されます。この受給には所得制限があります。

〇障害児福祉手当

重度障害児に対して、その障害のため必要となる精神的、物質的な特別の負担の軽減の一助として手当を支給することにより、特別障害児の福祉の向上を図ることを目的としています。精神又は身体に重度の障害を有するため、日常生活において常時の介護を必要とする状態にある在宅の20歳未満の者に支給されます。受給資格者(重度障害児)の前年の所得が一定の額を超えるとき、もしくはその配偶者又は受給資格者の生計を維持する扶養義務者(同居する父母等の民法に定める者)の前年の所得が一定の額以上であるときは手当は支給されません。

〇特別児童扶養手当

精神又は身体に障害を有する児童について手当を支給することにより、これらの児童の福祉の増進を図ることを目的にしています。20歳未満で精神又は身体に障害を有する児童を家庭で監護、養育している父母等に支給されます。受給資格者(障害児の父母等)もしくはその配偶者又は生計を同じくする扶養義務者(同居する父母等の民法に定める者)の前年の所得が一定の額以上であるときは手当は支給されません。

8 障害児施設

障害児を対象とした施設・事業は、施設入所等は児童福祉法、児童デイサービス等の事業関係は障害者自立支援法、重症心身障害者(児)通園事業は平成24年4月より児童福祉法の改正により根拠規定が一本化され体系も再編されました。

〇児童発達支援

 各障害別に分かれていた障害児通園施設・事業が一元化され、児童福祉施設として位置付けられる児童発達支援センターと児童発達支援事業の2類型に再編されます。

・児童発達支援センター

通所支援のほか、身近な地域の障害児支援の拠点として、「地域にいる障害児や家族への支援」、「地域の障害児を預かる施設に対する支援」を実施するなどの地域支援を実施します。

・児童発達支援事業

通所利用の障害児に対する支援を行う療育の場です。

〇放課後等デイサービス

学校通学中の障害児に対して、放課後や夏休み等の長期休暇中において、生活能力向上のための訓練等を継続的に提供することにより、障害児の自立を促進するとともに放課後等の居場所づくりを推進します。

〇保育所等訪問支援

保育所等を現在利用中の障害児、又は今後利用する予定の障害児が、保育所等における集団生活の適応のための専門的な支援を必要とする場合に、保育所等を訪問して支援することにより、保育所等の安定した利用を促進します。

福祉型障害児入所施設・医療型障害児入所施設

従来の障害種別の施設と同等の支援を確保するとともに、主たる対象とする障害以外を受け入れた場合に、その障害に応じた適切な支援を提供します。また、医療型はこのほか医療を提供します。
・重症心身障害児施設は、重症心身障害の特性を踏まえ児者一貫した支援の継続を可能とします。
・現に入所していた者が対処させられないように配慮されます。また、引き続き、入所支援を受けなければ福祉を損なうおそれがあると認めるときは、満20歳に達するまで利用することができます。 

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今の時代、多くの人がストレスを抱えて生きていると思います。 私も成長期の家族からの暴力や虐待に30年以上たった今でもトラウマを残し、生きづらさを抱えて生きてきました。 でも、人はみんな幸せに生きる権利があります。今の人生がつらい過去の上にあるとしても、そして、自分を取り巻く状況が厳しいものであっても、人の心や幸せの意味を考えてみんなに幸せになってもらいたいと思います。 最近、保育の勉強に興味をもちました。学んでいると、まるで自分を育てなおしているような気持になります。学んだことをブログにもまとめていますので興味のある方は是非ごらんください。育児中の方などにもお勧めです。