③子ども家庭福祉

●児童虐待とドメスティックバイオレンス(子ども家庭福祉)

1 児童虐待の定義

児童虐待には大きく分けて4つの分類があります。これらの虐待は単独ではなく、重複して現れることもあります。

〇身体的虐待・・・ 暴力等により身体に傷を負わせたり、生命に危険を及ぼすような行為をいいます。殴る、蹴る、叩く、投げ落とす、激しく揺さぶる、やけどを負わせる、溺れさせる、首を絞める、縄などにより一室に拘束する など

〇性的虐待・・・、性的暴行や児童に対するわいせつな行為をいいます。子どもへの性的行為、性的行為を見せる、性器を触る又は触らせる、ポルノグラフィの被写体にする など

〇ネグレクト・・・ 心身の発達を損なうほどの不適切な養育や子どもへの安全への配慮がなされていない行為を言います。家に閉じ込める、食事を与えない、ひどく不潔にする、自動車の中に放置する、重い病気になっても病院に連れて行かない など

〇心理的虐待・・・ 子どもに著しい心理的外傷を与える言動を行うこと、ひどい言葉、極端な
無視、拒否的な態度などにより、子どもに心理的な傷を負わせる行為を言います。言葉による脅し、無視、きょうだい間での差別的扱い、子どもの目の前で家族に対して暴力をふるう(ドメスティック・バイオレンス:DV)、きょうだいに虐待行為を行う など

2 児童虐待の実態

虐待の内容別に見ると、心理的虐待が最も多く、ついで身体的虐待が、次にネグレクト、性的虐待となっています。
主たる虐待者は、実母が最も多く、ついで、実父、次にその他(祖父母や叔父・叔母等)、実父以外の父、実母以外の母となっています。

以上のような児童虐待の現状について、特に注意が必要なことは、上記の児童相談所に相談があった虐待件数は、あくまで児童虐待の現状の氷山の一角に過ぎない、ということであり、この数字以上に、児童虐待の問題に対しては、予断が許されない状況が続いているものと考えなければなりません。

3 児童虐待対応の仕組み

〇安全確認
虐待の通報を受けた場合には、安全確認や状況確認等に関して迅速な初期対応を行うために、児童相談所や市町村で、共通アセスメントツールを活用したり、市町村が対応したりすることが適当な事案を児童相談所から市町村に送致して対応していきます。

〇一時保護
一時保護の第一の目的は子どもの生命の安全を確保することです。単に生命の危険にとどまらず、現在の環境におくことが子どものウェルビーイング(子どもの権利の尊重・自己実現)にとって明らかに看過できないと判断されるときは、まず一時保護を行います。
 一時保護を行い、子どもの安全を確保した方が、子どもへの危険を心配することなく虐待を行っている保護者への調査や指導を進めることができ、また、一時的に子どもから離れることで、保護者も落ち着くことができたり、援助を開始する動機付けにつながる場合もあります。
 子どもの観察や意見聴取においても、一時保護による安全な生活環境下におくことで、より本質的な情報収集を行うことが期待できます。
 以上の目的から必要とされる場合は、まず一時保護を行い、虐待の事実・根拠はそれから立証するという方が子どもの最善の利益の確保につながりやすいです。

〇出頭要求と立入調査
児童虐待が行われている恐れがあると認められる場合は児童相談所はまず保護者に対して児童を同伴して出頭を求め、必要な立入検査をします。出頭に応じない場合は立入検査をします。
事前に同行する職員や関係機関とで綿密な打ち合わせを行い、立入調査の目的や役割分担を明確にしておきます。
特に、保護者からの加害行為等に迅速に対応し、子どもや職員等の安全確保を図るため、必要があると認めるときは、警察に援助を依頼して事前協議を行い、これに基づく連携を図るよう努なければなりません。
 

4 ドメスティックバイオレンス

「ドメスティック・バイオレンス」とは英語の「domestic violence」をカタカナで表記したものです。略して「DV」と呼ばれることもあります。
「ドメスティック・バイオレンス」の用語については、明確な定義はありませんが、日本では「配偶者や恋人など親密な関係にある、又はあった者から振るわれる暴力」という意味で使用されることが多いです。配偶者からの暴力を防止し、被害者の保護等を図ることを目的として制定された「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」は、「DV防止法」と呼ばれることもあります。
配偶者暴力防止法においては、被害者を女性には限定していません。しかし、配偶者からの暴力の被害者は、多くの場合女性です。
配偶者からの暴力などの女性に対する暴力は、女性の人権を著しく侵害する重大な問題です。相談件数や調査結果等から、少数の人だけが被害を受けているのではなく、多くの人が被害を受けていることがわかります。

5 ドメスティックバイオレンスの相談体制

DV(ドメスティック・バイオレンス)被害者に対して、相談から自立まで総合的に支援するため、都道府県では「配偶者暴力相談支援センター」を設置しています。相談員が、面接・電話による相談や、下のような情報提供を行います。

〇電話および面接相談
相談員が、DVに関する被害者からの相談、悩みごと相談(生活、家庭内の問題など)に応じます。

〇カウンセリング
DV加害者から逃れ自立を目指すDV被害者の精神的負担を軽減するため、臨床心理士によるカウンセリングを行います。

〇法律相談
DV被害者が抱えている問題のうち、法律的に解決を要する問題に対して、弁護士による法律相談を行います。
・被害者及び同伴者の緊急時における安全の確保
警察での保護や、県婦人相談所での一時保護が必要と認められる被害者に対して、該当機関への同行などの支援を行います。

〇被害者の自立生活促進のための情報提供その他の援助
被害者の様々な生活状況に応じて、福祉制度、医療保険制度等に関する適切な情報提供や、被害者の自立に向けて関係機関との連携による継続的で、きめ細かな生活支援を行います。

〇保護命令制度の利用についての情報提供その他の援助
加害者に対して被害者への接近禁止などを行う保護命令制度の情報提供や、そのために必要な裁判所への申立書の作成援助、裁判所への同行などの支援を行います。

〇被害者を居住させ保護する施設の利用についての情報提供その他の援助
母子生活支援施設、市営住宅等の利用についての情報提供を行います。

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今の時代、多くの人がストレスを抱えて生きていると思います。 私も成長期の家族からの暴力や虐待に30年以上たった今でもトラウマを残し、生きづらさを抱えて生きてきました。 でも、人はみんな幸せに生きる権利があります。今の人生がつらい過去の上にあるとしても、そして、自分を取り巻く状況が厳しいものであっても、人の心や幸せの意味を考えてみんなに幸せになってもらいたいと思います。 最近、保育の勉強に興味をもちました。学んでいると、まるで自分を育てなおしているような気持になります。学んだことをブログにもまとめていますので興味のある方は是非ごらんください。育児中の方などにもお勧めです。