②保育原理

●日本の保育 現状と課題(保育原理)

1 子どもの貧困と格差

日本では7人に1人の子どもが貧困状態にあるといわれています。
日本における「子どもの貧困」とは「相対的貧困」のことを指します。
相対的貧困とは、その国の等価可処分所得(世帯の可処分所得を世帯人員の平方根で割って調整した所得)の中央値の半分に満たない世帯のことを指し、子どもの貧困とは相対的貧困にある18歳未満の子どもの存在及び生活状況のことを指します。
ここでいう貧困の子どもたちは、毎日の衣食住に事欠く「絶対的貧困」とは異なりますが、経済的困窮を背景に教育や体験の機会に乏しく、地域や社会から孤立し、様々な面で不利な状況に置かれてしまう傾向にあります。

国民を可処分所得の順に並べ、その真ん中の人の半分以下しか所得がない状態を「相対的貧困」といいます。こうした世帯で育つ子どもは、医療や食事、学習、進学などの面で極めて不利な状況に置かれてしまい、学歴格差などから将来も貧困から抜け出せない傾向があることがわかっています。子どもの貧困問題への対応は重要な課題となっています。

2 保育所待機児童の問題

待機児童とは、保育の必要性の認定がされた子どもが保育施設へ利用の申し込みを行っているのに、利用ができていない未就学児のことを指します。共働き世帯の増加や保育士不足の状況を背景にこの待機児童の人数が増え、解消が難しくなってしまったことで深刻な状況になりました。

待機児童問題の原因のひとつに、共働き世帯やひとり親世帯のの増加があります。厚生労働省のデータによると、2013年から2018年までの過去6年間だけを見ても、女性の就業率は大きく上昇しています。かつてのように専業主婦世帯が減って共働き世帯が増えたことで、保育施設の需要が以前より高まりました。しかしながら保育施設には定員数や保育士の配置基準があり子どもの受け入れ数には限りがあるため、入園できない子どもが増える一因となっています。

また、保育所待機児童問題の原因として、、保育士不足が深刻化したことも大きな要因となっています。特に保育士の、離職率の高さなどから保育需要の増加に対して保育士数の確保が追いつかないという現状があるため、保育士不足が問題となり、待機児童問題にも関連しています。

3 少子化社会での働き方と子育て

日本の合計特殊出生率は、2019年に1.36でした。日本では出生数よりも死亡数が上回り、人口減少が始まっています。政府はいろいろな少子化対策を打ち出していますが、あまり成果は得られていない状況です。

若い世代が子どもを生み育てやすい環境を作るためには、従来の働き方を見直し、ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)が可能な働き方ができるように、職場全体の働き方や雰囲気を変えていく「働き方の改革」が必要です。

出産1年前に仕事を持っていた女性の約7割が、第1子を出産半年後には無職となっています。働く女性が増大する一方で、仕事と子育てを両立できる環境が十分整わないことや、結婚や出産、子育て等により失われる機会費用やキャリアの問題が大きいことなどが、働く女性にとって結婚や出産に対して消極的な姿勢の原因となり、出生率に影響を与えていると思われます。

女性が仕事と子育てを両立するためには、夫婦がお互いに負担を分かち合えるように協力することが重要ですが、現状では子育て期にある男性が仕事優先の働き方により、家事や育児に十分参加することができないため、女性の子育てに対する負担がおおきくなっています。

欧米等の先進諸国においては、国をあげて働き方の改革に取り組んでいます。子どもを生み育てやすい環境を整備するための総合的な対策を行っている国では、出生率が回復する傾向がみられます。働き方の改革を進めていくためには、働き方の改革を国の最重要課題に位置づけ、国をあげて総合的な対策に取り組むという方針を明確に打ち出すことが重要です。

育児休業制度などがあっても実際には利用できない理由として、「職場への迷惑がかかるため」というのが最も多くなっています。制度を利用しづらい職場の雰囲気を変えるために、職場や地域における意識の改革に取り組んでいく必要があります。

子育ての問題は、家庭だけの問題ではなく、子どもを安心して産み、育てることができる社会環境や労働環境の整備が大切です。社会全体で子どもを支えるという気持ちで、どの世代の人も子育てに関心を持ち、子育てに優しいまちづくり、職場づくりに努めなければなりません。

4 保育料負担の問題

日本の保育に対する公的支出の額は、経済協力開発機構(OECD)加盟国の中でもかなり低く、日本の家庭が負担している保育料はほかの加盟国と比べて高くなっています。つまり、保育料は、日本の子育て中の家計を圧迫していて、このままでは、保育を受けたくても受けられない家庭が増えるのではないかと懸念されています。

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今の時代、多くの人がストレスを抱えて生きていると思います。 私も成長期の家族からの暴力や虐待に30年以上たった今でもトラウマを残し、生きづらさを抱えて生きてきました。 でも、人はみんな幸せに生きる権利があります。今の人生がつらい過去の上にあるとしても、そして、自分を取り巻く状況が厳しいものであっても、人の心や幸せの意味を考えてみんなに幸せになってもらいたいと思います。 最近、保育の勉強に興味をもちました。学んでいると、まるで自分を育てなおしているような気持になります。学んだことをブログにもまとめていますので興味のある方は是非ごらんください。育児中の方などにもお勧めです。