①保育の心理学

●主体性の形成と発達援助(保育の心理学)

1 自己の主体性

子どもの『主体性』を尊重してはぐくむことが、保育所保育指針では保育の基本とされています。しかし、まだ未熟な子どもが自分から、主体的に周りの環境や社会に働きかけることは、ある程度の危険性やリスクを伴います。子どもは、自分がどうなるかわからないような不安な状態では、自主性を十分に発揮することができません。そのため、主体性の基本には養育者とのしっかりとした愛着関係が必要となります。子どもは自分の安心や安全、生存などがしっかり保証されていることを確認して初めて、外の世界に興味と関心を持ち向かっていくことができるのです。

2 自己の主体性の形成段階

1歳半くらいの幼児期前期に、子どもが自分自身が親や保育者たちに受け入れられ肯定されているのを感じると「かけがえのない自分」を確信できるようになってきます。そうすると、子どもは受け入れられている状態に安心し、自己主張が激しくなってきます。

また、3歳くらいになると、子どもは養育者との間に愛着関係が確立し、親や保育者を自分の安全基地として認識し利用するようになります。すると、子どもは外の世界に興味を膨らませ、だんだんと探索行動の範囲を広げていけるようになります。このような、乳幼児期の子どもと周りの大人との関係が、子どもの主体性を形成する土台となります。

3 内発的動機付けと主体性と自主性

褒められる、叱られる、ご褒美がもらえるといった目的や賞罰からではなく、自分自身の興味や関心によって行動することを「内発的動機付け」といいますが、子どもと養育者との愛着関係を保証することによって生まれる、子どもの周りに向けられる興味や関心も「内発的動機付け」といえます。

アメリカの発達心理学者エリクソンは、このような乳幼児期前期の愛着関係の形成や、内発的動機付けを主体性の発達とふまえて、4~6歳くらいの発達課題として「自主性」をあげています。

4 自己の主体性形成における発達援助

生まれたばかりの新生児は親などから、単に保護され世話をされるだけの受動的な状態で生きていますが、少しづつ成長し、次第に子どもは保護され世話をされるだけでなく、自ら保育者や環境などに働きかけ、相互作用によって成長していきます。
子どもの「主体性」育てるためには、何をどこまで援助し、どこから自分でやらせるかということが大切になります。

赤ちゃんのころは、一方的に世話をしてもらうことがほとんどだった子どもたちも、幼児期にはいってくると、自分のことを自分でしたがります。自分でできないことでも「できる!」といって自分でやりたがるので、親や保育者の労力を考えると、余計に手間がかかり手伝いたくなります。でも、保育者はそこをぐっとこらえて、子どもの「主体性」を尊重する気持ちと視点を持って、子どもの「自分で最後までやりたい」という気持ちを尊重した援助を行い、子どもが「自分でできた!」という成功体験を積めるように働きかけることで、今度は、子どもたちが少しずつ自分の欲求を抑えることができるようになっていきます。

5 発達障害も持つ子どもの自主性と発達援助

発達障害を持つ子どもたちは成功体験を積むのが難しく、「自主性」や「自尊感情」を持てなくなることがあります。これを二次障害といいます。
子どもの育ちにおいては、褒めることがとても重要な要素です。、発達障害を持つ子ども達には特に「褒められる」体験や成功体験が重要になります。
発達障害特性を持つ子ども達は、日頃の失敗経験や注意・叱責の多さから自己肯定感を下げてしまいやすいので、成功体験の積み重ねや褒められることで自信をつけていけるような発達援助が必要です。

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今の時代、多くの人がストレスを抱えて生きていると思います。 私も成長期の家族からの暴力や虐待に30年以上たった今でもトラウマを残し、生きづらさを抱えて生きてきました。 でも、人はみんな幸せに生きる権利があります。今の人生がつらい過去の上にあるとしても、そして、自分を取り巻く状況が厳しいものであっても、人の心や幸せの意味を考えてみんなに幸せになってもらいたいと思います。 最近、保育の勉強に興味をもちました。学んでいると、まるで自分を育てなおしているような気持になります。学んだことをブログにもまとめていますので興味のある方は是非ごらんください。育児中の方などにもお勧めです。