①保育の心理学

● 集団の中での社会性の発達

1 集団での発達

養育者との愛着が安定してきて、心の中で、お母さんなどの家族を安全基地として位置づけられるようになってくると、子どもの活動範囲はどんどん広がり、お友達など、ほかの子どもたちとの関係に気持ちが向いていきます。

・幼児期の集団

生まれつきの男女の性差に対して、社会的、文化的に規定され、期待されている性別による役割を『性役割』といいます。3歳くらいになるとこの性役割が自覚されるようになってきて、それが子どもの言動にもあらわれてきます。

4歳くらいになると、自己主張が見られるようになり、お友達との関りが強くなる分、競争心も強くなり喧嘩が増えてきますが、5歳くらいになると、ルールを守ることを覚えて、集団の中できちんと行動をすることができるようになってきます。

6歳くらいになると、仲間の中での決まり事を意識し重視することができるようになってきて、大人に認められるよりも、お友達などの仲間に認められることに存在意義を感じるようになります。組織の一員であることに喜びを感じ、集団の中での自分の役割を感じることで、組織の中で行動が楽しくなってきます。小学校に上がる少し前のころですね。いろいろな係りの仕事を楽しんでやりがいを感じて行う時期です。

・児童期の集団

小学生になると、だんだん集団の形が変化してきます。「ギャンググループ」といって男の子同士でちょっと危険な遊びをしてみたり、「チャムグループ」といって女の子同士の仲良しグループでいつも行動を共にしたり、という特徴もみられます。こういう集団的な行動は子どもが自立していくために重要な行動で、より所として凝集性と同質性を求めてつくられるものです。大人の価値判断に頼っていた子どもが、自分自身で判断するようになっていくことを「心理的離乳」といいます。

・青年期の集団

青年期になると多くのことを自分の判断で考え行動することができるようになります。似たような趣味や考えを持った友達もふえますが、自分と違う考えを持った人とも議論できるような関係ができるようになります。「ピアグループ」といってお互いの価値観や理想を議論して、意見をぶつけ合うことで異質性を認め合うグループもできてきます。

2 道徳性の発達

1歳半から2歳くらいになると、困っている人を助けたり、悲しんでいる人を慰めたり、自分のものを人に分けてあげるなどの「向社会的行動」が見られるようになってきます。アメリカの心理学者アイゼンバーグは子どもに見られる社会的行動の動機についての発達的変化を示し、幼児期から青年期までの向社会的な道徳判断の発達は、だんだん内面化していくと考えました。

アメリカの心理学者コールバーグは道徳的判断の発達について研究をするために、モラルジレンマ(道徳的葛藤)と呼ばれる方法を使いました。モラルジレンマは小中学生の学校における
道徳教育にも展開されています。

コールバーグの道徳性発達理論では人には下のような3つの道徳水準があると説明をしています。

・水準1……前慣習的段階…損か得かで判断する道徳の段階

・水準2……慣習的段階 …法律や集団の規範に基づいて道徳的振る舞いをする段階

・水準3……脱慣習的段階…存在する社会的規範や法律に従うだけではなく、普遍的な倫理的原理に基づいて、自らの良心に反しないようにすることで、道徳的振る舞いを行う段階

このコールバーグの道徳概念は「正義」に偏りすぎているとの批判もあります。

3 社会的視点取得の発達

他の人との考えや気持ち、視点を理解する能力を社会的視点取得といいます。幼児期には自分の視点からしか、ものごとが見えないため他人の視点を理解することは難しいとされていますが、児童期、青年期にかけて、人とのかかわりが多くなってくるごとに他者の視点を理解できるようになります。

〇お勉強の感想

私の両親は、私が小学生くらいのころから友達とのかかわりを常にチェックし、両親の好まない友達とのかかわりを阻止しました。

「あの子とは付き合ってはいけない」「うちは、あの子の家とはちがうよ」と私に付き合うことを断るようにいったり、私が断らないと、勝手にともだちに「うちの子はもう遊ばないから、電話してこないで」などといって、親の好まない子とは接触しないようにしていました。

親の言うことを聞かずに、その友達と隠れて遊ぶと、なぜか必ず見つけ、後で怒鳴られたり、殴られたりしました。社会的発達の大事な時期にこれはダメですね…。

小学生の時から中学を卒業するまで親からそんなことされていましたから、高校生になった時にはもう疲れてしまって、友達はいらないと思っていました。

今の自分の対人関係はそういうことはかなり影響していると思います。だからといって、今から取り戻せるものでもないので、表向きはうまくやっていますけれど、友達と思えるような人はいません。

今、子育て中のお父さんお母さんたちには、この時期が社会的発達に大切な時期だということ理解していただいて、子どもの人間関係はある程度温かい目でみまもってほしいですね。

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今の時代、多くの人がストレスを抱えて生きていると思います。 私も成長期の家族からの暴力や虐待に30年以上たった今でもトラウマを残し、生きづらさを抱えて生きてきました。 でも、人はみんな幸せに生きる権利があります。今の人生がつらい過去の上にあるとしても、そして、自分を取り巻く状況が厳しいものであっても、人の心や幸せの意味を考えてみんなに幸せになってもらいたいと思います。 最近、保育の勉強に興味をもちました。学んでいると、まるで自分を育てなおしているような気持になります。学んだことをブログにもまとめていますので興味のある方は是非ごらんください。育児中の方などにもお勧めです。