①保育の心理学

●愛着の発達について(保育の心理学)

〇母子関係と愛着について

赤ちゃんには生まれつき、お母さんなどの養育者の養育行動を引き出す「愛着行動」を身につけています。赤ちゃんの泣く、笑う、見つめるなどの行動に、養育者が素早く一貫した反応を繰り返すことで、赤ちゃんは養育者に深い信頼と愛情を寄せるようになります。この関係を通じて、赤ちゃんは人に対して基本的信頼感と愛着を得ることができます。愛着の対象は、お母さんだけではなくお父さんや祖父母、保育者などもその対象です。

〇ハーローのアカゲザルの研究

アメリカの心理学者ハーローはアカゲザルの赤ちゃんに代理母として、硬い針金でできた哺乳瓶のついた人形と、ミルクは出ないけれどやわらかい布製の人形をあたえて、赤ちゃんがどちらを好むかを実験しました。そうしたところ、赤ちゃんは、ミルクが出る硬い針金の人形より、ミルクの出ない柔らかい布の人形を好んでしがみついていたそうです。

この実験で、愛着の形成には、食欲などの生理的欲求以上に、柔らかいものや温かいものの接触による癒しが必要であることがわかりました。

〇ボウルビィの愛着理論について

イギリスの児童精神科医ボウルビィはハーローに基づいた愛着の重要性と、愛着の発達段階を下の4つの段階で示しました。

・第1段階(生まれて~12週くらいまで):初期の愛着段階

人や物などを目で追ったり、音や声が聞こえる方向を向いて注視します(注視行動)

・第2段階(12週くらい~6か月くらい):愛着形成段階

特定の人を目で追ったり、笑いかけたり、呼びかけたり、身振り手振りなどで相手を自分に振り向かせようとします(信号行動)

・第3段階(6か月くらい~3歳くらい) :明確な愛着段階

子どもからしがみついてきたり、後を追いかけてきたりする接近行動で、特定の人との間に明らかな愛着関係ができます。そして人見知りが始まり知らない人や場面に遭遇し不安になると愛着対象を安全基地としてしがみつき、安心を求めるようになります。人見知りは、養育者との愛着関係がしっかり成立している証拠です。子供は養育者を安全基地として、探索行動をはじめ自分の世界を広げていきます。

・第4段階(3歳くらい~):目標修正的協調関係の段階

この時期になると、子どもは養育者の気持ちや行動を予想できるようになってくるので、自分の行動をコントロールできるようになってきます。それに伴い、第一段階の注視行動、第二段階の信号行動、第三段階の接近行動などの愛情行動は弱まってきます。

〇ストレンジ・シチュエーション法

アメリカの心理学者エインズワースは親子間の愛着を調査するために「ストレンジ・シチュエーション法」を開発しました。この実験は1歳くらいの乳幼児を対象に(ストレンジャー場面:見知らぬ他人が入室)→(分離場面:子どもを残して母親退室)→(再会場面:母親が入室し子どもと再会)という場面を作り、その結果から乳幼児の愛着パターンを主にしたの3タイプに分類しました。

・Aタイプ(回避型)

最初から母親に無関心で、母親との分離にも混乱せず、母親との再開時にも母親を避ける

・Bタイプ(安定型)

母親がいればほかの人がいても気にしないが、母親がいなくなると混乱する。再び母親が現れると安心する。

・Cタイプ(アンビバレント型

母親との分離に混乱し、母との再開しても不安が収まらないまま母に抱き着くが、怒りや抵抗も見せる

〇ホスピタリズム

乳幼児の愛着行動について、一貫して対応する養育者がいないことを母性剥奪状況(マターナル・ディプリベーション)といいます。これは、衣食住が満たされていても心身の発達や精神的安定、人間関係などに多いな影響が生じるということです。ボウルビィは施設に入所している子どもを観察しているときにこの影響がみられたため、ホスピタリズム(施設病)といわれ、母性的養育が必要という論理的根拠となりました。

【お勉強の感想】


子どもの精神的な成長において、愛着はとても重要なものと認識しました。特に母親や家族との関係が人間形成に大きな影響を及ぼすことがわかりました。最近は、この時期の家庭での虐待もニュースなどでよく見かけます。ニュースになっているものより水面下ではもっともっと多いのだと思います。どうしたら、子どもを虐待から守れるのか、いつも考えています。

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今の時代、多くの人がストレスを抱えて生きていると思います。 私も成長期の家族からの暴力や虐待に30年以上たった今でもトラウマを残し、生きづらさを抱えて生きてきました。 でも、人はみんな幸せに生きる権利があります。今の人生がつらい過去の上にあるとしても、そして、自分を取り巻く状況が厳しいものであっても、人の心や幸せの意味を考えてみんなに幸せになってもらいたいと思います。 最近、保育の勉強に興味をもちました。学んでいると、まるで自分を育てなおしているような気持になります。学んだことをブログにもまとめていますので興味のある方は是非ごらんください。育児中の方などにもお勧めです。