①保育の心理学

●認知の発達について(保育の心理学)

〇認知とは…

認知とは認識ともいわれますが、知ることです。そして、人が感覚・知覚したものについて考え、判断するまでの一通りの心理過程を認知過程といいます。

スイスの心理学者、ピアジェは認知の発達について『同化と調節』という働きによって、子供が世界を認識するための枠組みを変化させていくと考え、主に4つの段階(感覚運動期、全操作期、具体的操作期、形式的操作期)からなる認知機能の理論を提唱しました。

『同化と調節』の同化とは体験したことを「枠組み」に取り組んでいくことで、調節とは「枠組み」に取り込めない体験にあわせて、「枠組み」を変えていくことです。

それでは、これからピアジェの提唱する4つの認知発達段階について説明します。

〇感覚運動期(0歳~2歳くらい)

感覚運動期では、見る、聞く、触れる、などの直接的な感覚、運動体験を通して世の中を認識するための枠組みを発達させていきます。この時期には、同じ行動を繰り返し行いながら(循環反応)、だんだんそれを複雑化させていきます。その結果、乳幼児は象徴機能を獲得することで次の段階に進みます。

感覚運動期の中も下の6段階に分類されます。

・第1段階…反射期(生まれてから1か月くらい)

生得的な反射に基づいて外の世界と関わり始める。例えば、把握反射によって物をつかめるなど。

・第2段階…第1次循環反応期(1か月から3か月くらい)
      
動くものを目で追う、手に触ったものを口に持っていくなど、反射的行動とは違う動きがみられる。例えば、クーイングのように喉をしめて息を出すと音が出ることに気が付き、繰り返す。

・第3段階…第2次循環反応期(3か月から8か月くらい)

興味のあるものを触ると音が出るなど、ある行動が周囲にどういう結果をもたらすかという、道具化された反応が現れる。例えば、ガラガラを振ると、好きな音が鳴ることに気が付き、ガラガラを見つけたら振ってみることを繰り返す。

・第4段階…2次的シェマの協応期(8か月から11か月くらい)

直接達成できない目的を達成するために、いろいろな方法を考えたり挑戦したりする。例えば、手に届かないところにあるおもちゃを取るために、おもちゃに付いている紐や棒を引っ張ろうとする。

・第5段階…第3次循環反応期(11か月から1歳半くらい)

自分の行動に良い結果を積極的に求めようとする。挑戦して確認することで、自分の行動の調整を図る能力ができあがる。例えば高いところにあるおやつをとるために、台やいすを使って、いろいろな方法で試して、新しい方法を発見する。

・第6段階…心的表象の発言期(1歳半から2歳くらい)

何かをしようとするときに予想をして、目に見える試行錯誤的な行動より、思考力を働かせて解決する工夫がみられてくる。過去にしたことを応用したり、まだ現実に起きていないことをイメージして行うことができる。例えば、高いところにあるおやつを取るために、考えて見通しを立てて有効的な手段で行うことができる。

〇前操作期 (2歳~8歳くらい)

・前操作期は前概念的(象徴的)思考の段階(2歳~4歳くらい)と直感的思考の段階(4~8歳くらい)に分かれる。

・概念的(象徴的)思考の段階では、言語と象徴的機能の発達によって、具体的な空想をして、お母さんごっこのような「ごっこ遊び」や「ふり遊び」「見立て遊び」などができるようになる。

・直感的思考の段階では、漠然としたイメージが関連付けられて、目の前の猫が、動物であるという一般的な概念との関係が理解できるようになってきます。しかし、この時期は「保存の概念」がまだ発達していないので、場所や時などが変わっても、本質は変化しないということがまだ理解できません。

・この時期は、まだ、他の人からの視点を理解できていません。物事を自分からの視点だけで判断するという自己中心性があります。

〇具体的操作期(8歳~12歳くらい)

・この時期には、前操作期にはなかった保存の概念を獲得します。具体的な物事について、論理的な思考が可能になり、見かけの変化に惑わされることが無くなり、変化に対応した判断ができるようになります。

・他者からの視点も理解できるようになり、自己中心性から脱する時期です。

〇形式的操作期(12歳~15歳くらい)

・論理的思考が可能となってきます。例え話を現実に当てはめてイメージすることもできるようになります。これを仮説演繹的思考といいます。

【お勉強の感想】

認知能力の発達はとても興味深いものでした。
特に「前操作期」から「具体的操作期」のところで、他社からの視点が理解できるようになり自己中心性から脱する時期、というところ。
私の身近に、すごく自己中心的な人がいます。あまりにひどすぎて、周りはみんな迷惑してるのに、それでも「自分だけが良ければよい」と迷惑をまき散らします。
今まで彼女の気持ちが全く理解できませんでしたが、この勉強をして、彼女は「前操作期」で認知の発達が止まってしまっているのだなと認識しました。

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今の時代、多くの人がストレスを抱えて生きていると思います。 私も成長期の家族からの暴力や虐待に30年以上たった今でもトラウマを残し、生きづらさを抱えて生きてきました。 でも、人はみんな幸せに生きる権利があります。今の人生がつらい過去の上にあるとしても、そして、自分を取り巻く状況が厳しいものであっても、人の心や幸せの意味を考えてみんなに幸せになってもらいたいと思います。 最近、保育の勉強に興味をもちました。学んでいると、まるで自分を育てなおしているような気持になります。学んだことをブログにもまとめていますので興味のある方は是非ごらんください。育児中の方などにもお勧めです。