①保育の心理学

●発達の規定について(保育の心理学)

〇遺伝的な要因、環境的な要因

子どもの発達において、遺伝や環境の及ぼす影響は、保育や教育の問題に大きく影響するため、発達心理学においてもたくさんの議論がありました。

・遺伝的要因…主に親からの遺伝によって規定される要素を指す。心理学では主に一卵性双生児を対象とした双生児研究がおこなわれている。

・環境的要因…外部の環境が発達に影響を与えること。遺伝子的に同じ子どもでも、過ごす環境などによって影響され、発達に差異が起こることが知られている。

〈哲学者による考え方の例〉

・イギリスの哲学者ロックは、子どもを白紙のようなものと考え、書き込まれる内容次第でどのようにもなっていくと表現し、幼いころの経験が重要であると考えました。

・フランスの哲学者ルソーは、子どもの生まれ持った自然な資質を、邪魔しないで開花させることが大切だと考えました。

哲学者によっても、遺伝的環境的要因には細かいところでいろいろな考え方があります。

〇成熟優位説と環境優位説について

Φ成熟優位説…ゲセル

生まれてすぐに巣や親とを離れ、自立して生活する性質のある離巣性の動物の場合は、新生児は生まれてすぐに立って歩くことができます。これは、遺伝的に規定された運動能力が、母親の胎内である程度完成している証拠です。このように後天的な環境に左右されずに遺伝的な資質が発現していく発達の仕方を成熟と言います。

アメリカの心理学者ゲセルは、子どもの発達において、成熟優位説を唱えた代表的な研究者です。ゲセルは、学習を成立させるためには、それを可能とする準備状態が成熟している必要があり、それは経験では補うことができないと考えました。何かを学習するためには、その年齢相当の運動機能が成熟している必要があると考えたのです。

Φ環境優位説…ワトソン

生きていく中で環境とのかかわりの中で身に着けていく行動を学習といいます。アメリカの心理学者ワトソンは子どもの発達において環境優位性を唱えました。ワトソンは遺伝的な要因よりも、どんな行動も学習によって発達が可能であると考え、学習が成立するための法則の理解を重要視しました。それは行動主義といわれ今でも研究が続けられています。

〇遺伝と環境の相互的作用について

Φ輻輳説…シュテルン

ドイツの心理学者シュテルンは、発達とは遺伝的要因と環境的要因が合わさって作用し、その足し算で決まるとする輻輳説を提唱しました(遺伝+環境)。

Φ相互作用説…ジュンセン

遺伝と環境は、足し算のようなものではなくて相互に作用しあっていると考えたのがジュンセンで環境作用説といいます(遺伝×環境)。ジュンセンの説は、環境要因から受けた影響が一定の水準に達したときに、遺伝的要素と掛け合わさりその特性が発現するという、環境閾値説です。持って生まれた才能を最大限に伸ばすために、それなりの環境が必要であるという説です、例えば、芸術やスポーツなどの素質を開花させるためには、持って生まれた才能だけでなく、それに必要なある程度恵まれた環境や訓練などが必要で閾値が高いとされています。勉強なども同じです。
遺伝的素質が具体的な成果を上げるためには一定の環境的要因が必要で、必要な環境的要因の量や質は遺伝的要因の特性によって異なるものです。

【お勉強の感想】

今回は、保育の心理学の中の発達の規定について学んでみました。遺伝的要因、環境的要因、遺伝的要因+環境的要因、遺伝的要因×環境的要因、などいろんな考え方がありとても勉強になりました。野球の大谷翔平さん、将棋の藤井聡太さん、卓球の伊藤美誠さん、女優の芦田愛菜さん、競泳の池江璃花子さん、などなど才能を開花させて活躍している人たちの顔が浮かびました。きっと、素晴らしい遺伝的要因に環境的要因にすごい努力がかけ合わさり、爆発的に開花されたのだろうな…すごいなと思いました。

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今の時代、多くの人がストレスを抱えて生きていると思います。 私も成長期の家族からの暴力や虐待に30年以上たった今でもトラウマを残し、生きづらさを抱えて生きてきました。 でも、人はみんな幸せに生きる権利があります。今の人生がつらい過去の上にあるとしても、そして、自分を取り巻く状況が厳しいものであっても、人の心や幸せの意味を考えてみんなに幸せになってもらいたいと思います。 最近、保育の勉強に興味をもちました。学んでいると、まるで自分を育てなおしているような気持になります。学んだことをブログにもまとめていますので興味のある方は是非ごらんください。育児中の方などにもお勧めです。